集会アピール
誰もがいきいきと希望を持って安心して生きていける社会を作ることは、私たちみんなの願いです。戦争への反省とともに、その願いが託されて日本国憲法は生まれました。
憲法13条には、一人ひとりの生命が大切にされ、自由が守られ、幸せを求めて人間らしく生きることが最大限に尊重されなくてはならないと書かれています。25条には、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が私たち国民の手にあり、それを保障する義務は国が負っていることが明確に示されています。
憲法が生まれて71年、私たちの願う社会は、未だ実現していません。今の日本には、「格差」と「貧困」が世代を越えて広がり続ける現実があります。
保険料が負担できずに健康保険証を奪われ、医者にかかれずに生命を落とす私
生活保護を申請しても働けるはずと断られ、食事もとれずに餓死する私
生活と介護をめぐり、無理心中や殺人にまで追い込まれてしまう私
障害者権利条約の締約国であるにもかかわらず、なお差別に苦しむ障害者の私
公的な保育施設に入れず、やむなく入った劣悪な保育施設で生命を落とす子ども
私が「貧困」におちいったのは、どこかで怠けたり楽をしたりしてきた結果ですか?
答はNo!
一生懸命に生きていても、自らの努力ではどうにもならない困難を抱えてしまい、人間らしく生きることができなくなったから、公的な責任による権利の保障が必要なのです。
政府は、こうした現実から目をそらし、社会保障や社会福祉の予算を削り続けています。そればかりか、「自助・共助が基本」だと、自らの責任を地域に丸投げしようとしています。その一方で、毎年のように増額した防衛省予算は5兆円を超え、安全保障関連法に基づいた自衛隊の海外派遣によって、国民の安全さえ脅かしています。
生きる権利が政府の手で奪われているのです。「仕方がない」では済まされません。
私たちは、今日、「社会保障・社会福祉は国の責任で!」と、人間らしく生きる権利の保障を求めて、ここ日比谷野外音楽堂に集まりました。
国の社会保障政策を根底から変えることなど、私たちにできるのでしょうか?
答はYes!
さまざまな分野の発言で、現実の厳しさを知っただけではなく、要求を集めて行動すれば情勢は変えられる、その力が私たちにあることを確信しました。
今こそ、「私が権利の主体者だ」「私たち一人ひとりが国の主人公だ」「税金の集め方と使い方を変えろ」「私の生きる権利を保障しろ」「憲法9条を守れ」と声をあげましょう。
まだ、声を出せないでいる日本中のあらゆる分野の人々と手をつなぎ、つながってたたかいの共同の輪を大きく広げましょう。全国各地に巨大な連帯のうねりを起こして、人間の生命と尊厳が大切にされる、憲法が生かされた社会を私たちの力で実現させましょう。
2017年5月18日
社会保障・社会福祉は国の責任で!
憲法25条を守る5.18共同集会参加者一同